愛着を生み出す二通のレター
昨日紹介した居酒屋『○○長屋』は個人情報を書いたお客さんを短期間でリピーターに育てる工夫をしています。そのポイントは、お客さんが帰った後のアプローチにあります。
アンケートに記入して長屋の住人になった人には、お店から『長屋住人の証書』が送られてきます。しかし、通常のサンキューレターと異なるのは、「私達の仲間にようこそ」という意味が含まれている点です。この含意がとても大切なのです。
二週間ほど経つと、二通目のレターが送られてきます。そこには“店主が店を開くに至った経緯”“店に込めた想い”が書かれています。レターの最後には「店主のおばあちゃんの家は、炭鉱町の長屋でした。小さい頃はボタ山で遊び、駄菓子屋に通い、縁側で昼寝した、そんな故郷のような心温まるお店です」と綴られています。そしてまた、レターには「幸せを呼ぶ石」と名づけられた“小さな石炭のカケラ”がささやかなプレゼントとして同封されています。その石には「これは4億5000万年前の石炭です。黒ダイヤと呼ばれ、かつてはエネルギーとして日本が豊かになるという夢を叶えました。そして今度はあなたの夢を叶え、ハッピーと元気が一杯になるように私達からのプレゼントです」というメッセージが添えられています。
こうした一連のアプローチは短期間に店への愛着を深めてもらうことを目的としています。
お客さんは、レター、証書、プレゼントを通して、“この店が長屋風情であること”“自分達がお客ではなく長屋の住人であること”を店主ともに共有するようになり、再び店に足を運ぶのです。
(参考資料:2005年8月17日 日経MJ)
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