銀座 手の届く高級立地
東京・銀座で新たな出店競争が始まっています。出遅れていた有力ブランド(ヴァレンティノ等)と新興の中堅ブランド(モーブッサン等)が相次ぎ新店を開設するとともに、先発組(エルメス等)も陣地を広げています。
今回の出店ラッシュは、再開発に伴う物件の供給増が呼び水になっていると言われます。銀座界隈は古く小規模なビルが多く、1979年以前のビルは並木通り沿いだけでも30近くもあります。これらの老朽化したビルが、容積率の緩和などを追い風に立て替えるケースが目立ちます。
また、ブランド消費の回復も理由の一つです。統計によると、小売業の売上が6ヶ月連続して前年同月より増加しています。ボーナスの伸びも高く、消費の地合いの強さが伺えるようになりました。そのような情況のもと、今年になって既存店売上高が増加した有力ブランドが増えています。
中央通り付近の2005年の基準地価は1平方メートル当たり1500万円で、15.4%という東京圏で最高の上昇率となりました。このような地価上昇を受け、高い家賃収入を期待する地主らによる新築物件の供給が続きます。家賃相場は、銀座中心部の1階店舗で1平方メートル月3万円以上でしたが、2001年ごろから6万円強の物件が目立つようになったため、有力なテナント候補は、高い家賃負担能力のある海外ブランドとなるわけです。
専門家は不動産価格とオフィスを含めた賃料はまだ上がる可能性があると見ており、ブランド各社とも需要は十分にあるとみて強気の出店を進めていますが、かすかにバブルの香りが漂うという指摘もあります。
(参考資料:2005年10月21日 日経MJ)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント