『息子も同然』がつなぐ取引
同業者と厳しい競争を余儀なくされている衣料品卸店の話です。
店主はお客さんであるバイヤーからこう言われました。「あんたの店に行かんとなぁ~。あんたんとこの兄ちゃん、私らの息子同然やもん。どうぜ同じ物やったら…」
この言葉を聞いて、店主は涙が出るほど嬉しくて「なんでそんなこと言ってくれるのですか?」と思わず聞き返しました。すると、バイヤーたちは「ほら、いっつも書いているやん。色々自分のこと。そんでな…」と口を揃えて答えました。
そう、彼はバイヤーとの人間関係を育むために、ビジネス情報に加えてプライベートなことも書いたレターを出しているのです。そこには、人間ドックに行った時のこと、ビールが大好きなこと、飼っている犬のことなど…が書かれているのです。
定期的に出すレターは人間関係作りに繋がりますが、ここでのカギは“プライベートのことを書き続ける”ことでした。そうすることで、『息子同然』という絆ができ、価格に流れがちな業種においても、ビジネス上の繋がりを確固にしてくれます。
勿論、人間関係に胡坐をかいてはいけません。しかし、『お客さんとの絆』が現実的な収益を生むということが明らかなのです。
(参考資料:2006年1月25日 日経MJ)
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