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2006年2月

2006年2月28日 (火)

バーゲンやめますか?…それとも百貨店やめますか?④

利益率の低いバーゲンを縮小する機運は大手百貨店を中心に広まってきています。

特に問題なのは、催事場等ではなく各売場でバーゲンです。売り場でバーゲンをすると、売り場ものそのものが荒れてしまい、百貨店の良さである“快適な買い物環境”が損なうという大きなマイナスがあります。

そのことが分かっているにも関わらず、地方の地域二番手以下の店舗では、“取引先からの魅力的な商品が調達できず、価格をアピールするしかない”というのが実情です。

このため、バーゲンをやめて百貨店らしい売場作りを実現できる店舗は都市部の機関店舗などに限られてしまうのが現状です。

(参考資料:2006224日 日経MJ)

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2006年2月27日 (月)

バーゲンやめますか?…それとも百貨店やめますか?③

例年ならば最後の売り尽くし“ファイナルセール”で賑わう『マルイシティ新宿』ですが、今年の店内は驚くほど普通でした。婦人服の自社PB売場では、パステルカラーのニットなどのはるものが前面に押し出され、バーゲン品は奥にひっそりと並べられていました。丸井は、他の百貨店と差異化できる武器であるPBや自主編集売場があるにも関わらず、それをバーゲンで数字をあげる道具にしていたとの反省から、派手なバーゲン戦略を取り止めることにしたのです。

そして、今冬の新戦略は、「春物の早期投入」と「冬物の再投入」です。

春物の早期投入で、春物とバーゲンを組み合わせた提案ができるようになり、結果的に通常価格品の売上比率が高まりました。これには、春物の立ち上げが1ヶ月早まれば、3月の春の実需期に向けた売れ筋把握も一ステップ先をいけるという狙いも含まれています。

さらに、流行のツボをおさえ進化した冬物の新商品(シーズン初期より3割安)を投入することで、バーゲン品に近い価格設定で通常価格並みの粗利益が得られるようになりました

丸井は最終目標である“バーゲンからの脱却を定着させ、通年のフリ場サイクルも進化させる”ことを目指して、売場改革を進めているのです。

(参考資料:2006224日 日経MJ)

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2006年2月26日 (日)

バーゲンやめますか?…それとも百貨店やめますか?②

三越は昨年6月、安売り(季節商品処分のバーゲンと一時催事を除く)を止める方針を打ち出しました。しかし、現場ではバーゲンに慣れ切った仕事を大転換する産みの苦しみが続いています。

バーゲン廃止宣言直後の昨年夏、仙台店では7月下旬から秋物を立ち上げる予定でしたが、婦人靴売場に並んだ商品の8割はセール品でした。これは、店側が期待する商品を取引先が納入してくれなかったためです。

このため、仙台店の太田垣店長は、社員をできる限り東京に出張させ、取引先と直に話をさせるようにしました(このため出張交通費は3倍になりました)。

これには“三越仙台店はバーゲン品が並ぶ店”との認識を覆す狙いがありました。変化はジワジワと出始めており、1月下旬の婦人靴売り場は全体の70%が新作春物となったのです。

しかし、お買い得品を百貨店で買うことを楽しみに、ローカル線で仙台にやってくる中年女性客のニーズを切り捨ててしまったという側面もあります。

三越全体でバーゲンを止めたことによる減収は年間100億にのぼります。「社員には目先の売上を負わずに、三越ブランド価値を高めて欲しい。業績の責任は経営陣が取る」という石塚社長の不退転の決意は果たして実を結ぶのでしょうか。

(参考資料:2006224日 日経MJ)

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2006年2月25日 (土)

バーゲンやめますか?…それとも百貨店やめますか?①

「バーゲンに頼るな!」と百貨店の経営者が安易な安売り撲滅を現場に訴えています。

確かにメリハリの効いたバーゲンは集客増に繋がりますが、予算達成のために安売りが常態化すると売り場が荒れ、利益率も下がります。

デフレ時代の価格競争で失ってしまった“買い物の楽しさを提供する”という百貨店のアイデンティティーを取り戻すことができるか?…それにはバーゲンの見直しが不可欠になってくるのです。

(参考資料:2006224日 日経MJ)

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2006年2月24日 (金)

無料巡回バスで町の活性化を目指す

青森県五戸町には、何処でも乗り降りできる町内巡回の無料バス『五戸ちんちんバス』が走っています。平日の午前中に4便運行され、1周7キロのコースを40分かけて廻ります。 この『五戸ちんちんバス』は、町外の大型ショッピングセンターに買い物客が流れるないように、町の病院や商店が費用を負担して運行しているのです。町内活性化のためにスタートしたこの無料バス、ある程度の効果を挙げています

しかし、想定外のことが起こりました。それは、町内のスーパーにお客さんが流れてしまうケースが増えたことです。町は対策として、ポイントカードサービスを始めました。75店という小さな商店街としては思い切った手ではありますが、“何もしなければ町がしんでしまう”という危機感が後押しし、導入に踏み切ったそうです。

(参考資料:2006211日 朝日)

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2006年2月23日 (木)

小さいからこそ発揮できる強みを求めて

東京の世田谷区に多店舗展開するスーパー「オオゼキ」は、新規に出店する度に“その地域一番店”となる優良小売店です。実際に店舗を見て感じる強さの秘訣は“ポイントカードによるキャッシュバック”“豊富な品揃えを誇る店作り”“レジを初めとする店員の接客水準の高さ”だと私は思います。また、千葉県には柏を中心としたスーパー「京北スーパー」が同じような戦略で地域一番店となっています。

この二つの例を目にして“規模が大きいだけ”で強さを発揮できる時代は終ったことを実感します。近くに西友やダイエーといった店があるのですが、まるで太刀打ちできないのですから…

中小企業でも創意工夫と実行力があれば十分に闘っていけるようになったのです。あきらめずに小さいからこそ発揮できる強みを探してみましょう。

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2006年2月22日 (水)

ネットスーパー 高級店も進出

高級スーパー各社が相次いでネットスーパーを開設しています。しかし、ネットスーパー先行組のGMSや生協とは一線を画し、海外の輸入食材や高品質なPBなどアイテムを絞り込み、週末のご馳走やパーティなどの“ハレの日”需要を狙う戦略を目指しています。また、高級スーパーは地域限定という側面が強いのですが、ネットスーパーを運営すれば地方からの購入希望にも対応でき、全国規模の知名度向上を狙うことも可能になります

※各社の取り組みの一例

『大丸ピーコック』 イギリスの高級スーパー『ウェイトローズ』のPB商品の他、上質な生鮮食料品を販売しています。

『クィーンズ伊勢丹』 自社PB“グリーンQ”を中心に高品質な商品を揃えました。

『いかりスーパーマーケット』 自社工場で製造したチョコレートやワインセットを取り扱っています

(参考資料:200626日 日経MJ)

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2006年2月21日 (火)

売れる総菜 ~ 社長の視点

デパ地下の人気店『 RF1 』を運営するロック・フィールドの岩田弘三社長は日経MJのインタビューで、「食の分野は今後デザインがキーワードとなる」「食べることで広がる楽しさや豊かさの手助けをしたい」という趣旨の発言をされていました。

キーワードはデザイン

ロック・フィールドが、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を総菜事業に持ち込んだキッカケは、お客さんに驚きや意外感を与えて楽しいと思ってもらうためにはデザインは重要であるからでした。そして、小さい時から商品のデザインを意識して育っている若い女性(『RF1』の主客層)に楽しんでもらうためには、さらなるデザインのセンスの向上が必要なのです。

新しい“食楽の世界”の提案

食べることで広がる楽しさや豊かさといった“食楽の世界”が広がります。

さらに、多様化するライフスタイルにより、日々の過ごし方にメリハリ(週の初めと終わりでは食べたいものは異なる…というように)が出てきます。ということは、月曜は粗食、金曜はご馳走というように曜日によって売るものを代える必要が出てきます。また、時間に余裕のあるシニア層が増えれば朝食をゆっくり摂る習慣も定着するはずです。ロック・フィールドは、このような新しい時代を先取りし、総菜を通した“食楽の世界”への提案を目指しているのです。

(参考資料:2006215日 日経MJ)

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2006年2月20日 (月)

顧客の立場から見た“売れる総菜のノウハウ”

昨日のブログで、デパ地下の人気店『 RF1 』の考える“視覚に訴えるマーケティング”を紹介しました。さて、顧客の立場からこのマーケティングを見るとどうなるか?を私自身の体験から検証してみます。

照明の工夫

確かにRF1は照明が明るくて清潔感があります。しかし、黒皿に入った“その日イチオシ”の商品はなく、サラダは全て白い皿に盛られていました。

盛り付けの工夫① 一山盛り

商品を150グラム前後の小さな固まりにして大皿に並べることで特徴のある食材を目立たせるのですが、私が見た限りでは、たった一種類のサラダでしか取られていませんでした。(あとは全て大皿に山盛り状態でした…)

盛り付けの工夫② 少量パック

少量パックを置くことで「中年男性にも買いやすい」「試し買いの効果が期待できる」ということですが、閉店間際にならないとこの少量パックは陳列されていませんでした。どちらかというと、残ったサラダを効率的に売るための戦略のように感じられます。

こうして見ると、店が雑誌や新聞で説明する“ノウハウ”というのも随分と怪しいように感じます。私は『RF1』はよく利用しますが、“ここを何とかして欲しいなぁ~”と思う改善点は沢山あります。例えば、商品名が長ったらしくて言い難い、店の看板メニューとなるような息の長い商品がない、秤が消費税の総額表示に対応していない…

今回の日経MJの記事を読んで、お客さんの要望していることをお店は意外と分かっていない…そんな気がしました。

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2006年2月19日 (日)

売れる総菜は目で食べさせる

デパ地下の人気店『 RF1 』を運営するロック・フィールドが美味しさを視覚に訴えるマーケティングに力を入れています。盛り付けや照明に工夫を凝らし、見た目の美しさを演出するとともに、商品表示など目から入る情報からも食欲を刺激して、競争の厳しいデパ地下での生き残りを図っています。

照明の工夫

照度はデパ地下通路の1.52倍で、白とシルバーを基調とした店内は遠くからもハッキリと見える。ショーケースの皿も白の陶器をベースとしてサラダの野菜の色が鮮やかに浮き上がらせる。さらに“その日イチオシ”の商品を黒皿に入れておくと、周囲が白いので自然とお客さんの目に飛び込んでいくのです。

盛り付けの工夫① 『 一山盛り 』

商品を150グラム前後の小さな固まりにして大皿に並べます。こうすることで、海老などの特徴のある食材を目立たせることができます。大皿だと、量が減っていくと見栄えが悪くなって売上が落ちていきますが、一山盛りだと最後までキレイに売ることができ、ロス率の低減に繋がるのです。

盛り付けの工夫② 『 少量パック 』

6080グラムに小分けした少量パックの販売にも力を入れています。この少量パックのメリットは「一目で分量が分かる」「キレイな状態が保てる」「グラム指定買いに戸惑う中年男性にも買いやすい」「少量なので試し買いの効果が期待できる」などがあります。

(参考資料:2006215日 日経MJ)

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2006年2月18日 (土)

エーピー・エンタ つかみはOK!

コンビニとDVDレンタルの融合店 『エーピー・エンタ』 は、昨年12月に東京・世田谷に第一号店がオープンしました。開業して2ヶ月が経ち、レンタル部門は当初計画を上回る2000人が会員として登録し、コンビニ部門(弁当・総菜など)の売上も通常店より3割多い…という順調なすべり出しとなっています。

狭い店舗のため、2800枚のDVDを陳列するのが精一杯で 大型化するレンタル専門店に品揃えでは敵いません。そこで、『エーピーエンタ』 ではコンビニの原点に戻り、利便性を徹底的に追求したスタイルを取りました。その一つが「タイムレンタル制」です。レンタル時間設定を細かく設定し、2時間の映画ならば見てすぐ返却すれば90円で済むようにしました。

こうした試みが利用者から評価され、駅前の大手コンビニ店舗通り越して来店する客が増え、結果として“既存コンビニとの差別化”に成功したというわけです。

エーエムピーエムは、早ければ今春に 『エーピーエンタ』 のチェーン化に乗り出します。果たして新たなコンビニの成功モデルとなるかどうか?…期待が高まります

(参考資料:2006215日 日経MJ)

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2006年2月17日 (金)

携帯サイトで夜間集配受注

クリーニングチェーンの『喜久屋』は、2月上旬から携帯電話サイトでクリーニングの夜間集配サービスの受注を行うサービスを開始します。この新サービスは24時間受注が可能で、集配時間は1723時の間で自由に指定することができます。クリーニング代の他に別途出張料金840円がかかります(クリーニング代が2500円以上の場合は不要)が、在宅時間の短い働く女性や単身者にとっては利便性の高いサービスになると思われます。

市場縮小が泊まらないクリーニング業界の現状では、店舗の商圏外の顧客をいかに開拓できるかが各社にとって大きな課題になっていることから、この『喜久屋』の新たな試みの成否に関心が集まっています。

(参考資料:2006130日 日経MJ)

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2006年2月16日 (木)

ハッピーバスデーだけでは振り向かない

誕生日にプレゼントやお祝いを贈る…といったサービスを見直す動きがあります。

これは、周囲の人たちに自分の誕生日を知られたくないために“偽の誕生日”を登録する人が増えており、誕生日プレゼントが意味をなさないケースが増えてきているためです。

ということは、“ありきたりな特典”では、住所や電話、生年月日を引き出すことは困難になってくるということです。今後は、企業が顧客から“どれだけの信頼関係や一体感、事業への参加意識”を獲得していけるか?が、情報収集のカギとなると予想されます。

(参考資料:200623日 日経MJ)

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2006年2月15日 (水)

熱闘“居酒屋甲子園”

居酒屋のサービスや活気を競うイベント“居酒屋甲子園“が開かれ、2000人の来場者の投票により、熊本市の『旬採酒場 憲晴百』が初代チャンピオンとなりました

この『旬採酒場 憲晴百』は、座席数22という小さな居酒屋(客単価は3000円)ですが、絵の得意な従業員が来客者の似顔絵を書いて名刺を渡す…といったサービスでお客さんの気持ちを引き付ける一工夫を凝らしてるお店です。

(参考資料:2006212日 日経MJ)

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2006年2月14日 (火)

『自分のマンションの価格』が分かる!

リクルートコスモスは、入居しているマンションの価格を簡単に査定できるサイトをオープンさせました。このサイトでは、立地や築年数、床面積を入力すると瞬時に現在の価格を算出してくれ、売却の際の参考価格や資産価値を確認することができます。

また、このサイトは、今まで不動産業者が主導権を握っていた価格の算定基準の一つを所有者に開放したという側面もあります。今後は、所有者が予め価格を把握できるることで、価格決定の主導権を持ち易くなると予想されます。

(参考資料:2006210 日経産業新聞)

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2006年2月13日 (月)

10秒で決済の新型レジシステム

ファミリーマートは、港区の伊藤忠商事本社内の店舗で電子タグと電子マネーを使った新型レジの実験を期間限定(~224日)で始めました。

この新型レジは、電子タグの付いた商品の価格をカゴに入れたままで一度に読み取り処理するため、処理時間が従来の半分の平均10秒で済みます。

ファミリーマートは効果や問題点を検証した上で、さらに実用化に向けた取り組みを進める意向ですが、あと何年かすると電子タグを使ったレジシステムはごく当たり前になるでしょうね。

(参考資料:2006210 日経MJ

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2006年2月12日 (日)

地場スーパー強さの秘密

仙台市中心街からクルマで30分ほどの秋保温泉街にある食品スーパー『主婦の店さいち』の総菜は、地元の人から爆発的に支持されています。

その秘密は「あえて家庭の主婦が作るものを主婦より美味しく作ること」です。

変わったものを作れば一度は買ってくれるが、小さな町なので、毎日は買ってくれません。そのため、総菜のメニューはありふれた和食ばかりになった。そこで、家庭の主婦よりも美味しく作ることを目指す必要が出てきました。つまりは、競争相手は同業者ではなく、地元の主婦となったのです。手間のかかる料理が家で作るより美味しくできれば、わざわざお金を出して買ってもらえる。そうして信頼を得ながら、品数を増やしていった(現在は300種類)というわけです。

しかも驚くことにこのスーパーには総菜のレシピがありません。調理場に立つ従業員は入社後にマンツーマンで調理責任者から総菜の作り方を教わり、体得します。レシピが無いので、クレームがきた場合に言い訳ができなくなり、従業員一人ひとりに高い責任感が芽生えます。そして、誰が作ったかが分かるので、お客さんの声がストレートに従業員に伝わり、励みにも反省材料にもなるのです。

このような改善の連鎖が地域に根ざした人気商品を作り、ひいては人を集めるスーパーを形作っていったのです。(参考資料:日経ビジネス200626日号)

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2006年2月11日 (土)

中古車 隣の芝は青い②

ネット企業は、中古車市場においては個人間売買で商機を伺っています。この取引によって、買い手には中間業者を省くため安く売買できるというメリットが、ネット企業には50万円前後の中古車という貴重な高額商品を取り扱うことでそれに見合った販売手数料を稼げるというメリットが生じます。

楽天は、オークネットと組み、詳細な検査情報をつけた車両のみを出品スタイルでネットの不安感を取り除くことを狙っています。

ヤフーはリクルートの事務カタログや同じ車に乗るオーナーの意見を集めた掲示板と連動させた情報ページを設けました。

また、8106000台という登録台数を誇る中古車市場ですが、ここ数年は横ばい状態でマーケット成熟期に(小売りとして流通しているのは300400万台程度とも言われています)に入ったことなどから、今後は出品台数がマイナスに転じるという見方もあります。この業態を超えた競争がそういった現状を打破する起爆剤になるかどうかに期待が集まります。

(参考資料:200621日 日経MJ)

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2006年2月10日 (金)

中古車 隣の芝は青い①

中古車市場で、業態の垣根を超えた競争に拍車がかかってきました。買取り、業者間取引、小売りの事業各社が互いの領域に侵攻して、パイの奪い合いとなっています。

買い取り業者の侵攻

ガリバーは大型店舗の『自由が丘目黒通り店』をオープンさせ、買取り特化から自社で売り捌くビジネスにも力を入れ始めています。この新店舗は1000㎡の敷地(従来店は330㎡)に高級車をゆったりと並べるスタイルを取り、月間に100台(従来店は60台)を買い取り、小売りについても月間1520台を販売する力を持っています。

事業間取引業者の侵攻

『オートバックスセブン戸田店』は、業者間ネット競売大手のオークネットと提携し、1台も車を展示することなく、月10台前後の中古車を売っています。

自動車メーカーの侵攻

トヨタはレクサス店で下取りした輸入車を販売する店『カーロッツインポート』をオープンさせ、ホンダは中古車専門のオートテラスを3年以内に240店から280店に増やすことを目指しています。

(参考資料:200621日 日経MJ)

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2006年2月 9日 (木)

欲しいのは安心と安全

ユナイテッドルームズ(東京・渋谷)は、住宅の建築過程を動画で記録し、建築主がネットで閲覧できるようにしたり、DVD化してマンション購入希望者に配布するといったサービスを開始視しました。加えて、着手から完成まで現場をネットで生中継するサービスも別料金で提供しています。

セブンアンドアイ(東京・千代田)の書籍ネット通販サービスは、自宅だけではなく、指定したコンビニでも受け取れるのが特徴です。そもそも留守がちな一人暮らしの人に使い勝手が良いだろうということでスタートしましたが、別の理由から若い女性の支持を受けています。そのキーワードは「防犯」です。治安の悪化を受け、どんな相手でも自宅のドアを開けることをためらう人が女性を中心に増えていますが、このコンビニ受取りサービスは「治安悪化に対する不安」というニーズを汲み取ったというわけです。

(参考資料:200623日 日経MJ)

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2006年2月 8日 (水)

『駅ナカ』光るテナント ③ 「試せ」

インターメスティックの運営するメガネ店『コンソメ』は、“エキュート品川”を新商品の実験場として活用しています。

新商品の「ヴァニーユ」は斬新なメタルフレームの商品であるため、誰にどのくらい売れるかが読めませんでした。そこで、集客力が抜群で幅広い客層を誇るエキュート品川で実験販売して、どの層にどれだけ売れるかを試しましたところ、売上の4割を2030代の女性が占め、女性にもメタルの需要があることが分かりました。この結果を受けて、他店でも女性客をターゲットに販売したところ、3ヶ月で同店の稼ぎ柱の一つにまで成長したわけです。

『コンソメ』の成功例から分るように、実験店として突出した資質を備えた“駅ナカ”を新商品の未来を占う場として活用する戦略は、今後ますます注目されるでしょう。

(参考資料:200623日 日経MJ)

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2006年2月 7日 (火)

『駅ナカ』光るテナント ② 「絞れ」

ヘアカット店のキュービーネットがエチカ表参道で運営する『キャトルボーテ』はカットもスタイリングも202000円という低価格がウリの美容院です。

で、驚くべきはこの店がターゲットとする客層は、表参道駅周辺のカット1万円前後の高級店を利用するお客さんなのです。これは、女性が美容院を利用する頻度は概して2ヶ月に1回という現状を踏まえ、いつもの美容院に行くほどではないが、「前髪や毛先だけを揃えたい」、「出かける前にスタイリングを整えたい」という若い女性客のニーズを取り込むことを狙ったのです。

そのため、昼休みやちょっとした時間の有効活用を想定し、“予約なし”というスタイルにしました。結果として、一日の来客数は4050人で、開業時から黒字化を達成しています。そして、来客数のうち半分が“部分カット”、一割が“スタイリングのみ”が占め、ターゲットを絞った戦略が成功を収めています。

(参考資料:200623日 日経MJ)

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2006年2月 6日 (月)

『駅ナカ』光るテナント ① 「流せ」

エチカ表参道の『マルシェ・ドゥ・メトロ』は敷地面積580㎡で730分から23時の営業時間内に56回転(来店者は3000人超)し、1ヶ月の売上が5000万円という大盛況のフードコートです。

駅ナカが持つ“抜群の集客力”は諸刃の剣です。大混雑すればお客さんは不快感を抱きますので、“人が上手く流れる仕組み作り”が求められます。運営を任されたクリエイト・レストランツは、狭い出入口をさらに入口と出口に分け、その上で入口だけを通路として分る幅(2m弱)とし、出口は外から見ると通路に見えないようにレイアウトしました。

また、混雑のピーク時には、スタッフがロープを使い、お客さんに整列してもらいます。

このように“お客さんの流れ”をスムーズにすることで集客力の高さを十二分に活かしているのです。

(参考資料:200623日 日経MJ)

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2006年2月 5日 (日)

「お直し」が客を呼ぶ

リベア(修理)、リフォームといった「お直し」市場で新興勢力が台頭してきています。高度な専門技術やデザイン力を武器に消費者の支持を広げているのです。

渋谷、川崎、青山に店舗を構える『ユニオンワークス』は欧州の高級靴の修理の専門店です。この店のウリは「いかに元のデザインに近づけるか!」で、そのためにソールやヒールの部品は英国やイタリアからも調達し、そのパーツ数は他店を圧倒しています。そして、ほぼ完璧な「お直し」は口コミで広がり、従来の脇役をイメージを払拭したプロ集団の修理専門店としての存在感をアピールしています。

このほか、宝飾品修理の『アールジェイ・ルラフ』、廃材を利用して造った新しいデザインの家具販売の『ディアンド・デパートメント』といった「お直し」の個性店が注目を集めています。

(参考資料:2006130日 日経MJ)

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2006年2月 4日 (土)

意外に普通だった『ナチュラルローソン』

乗換えで大手町駅を利用した際、折角の機会なので構内の『ナチュラルローソン』に行って見ました。(さらに加えて飯田橋店にも入ってみました…)

驚いたのは、ごくごく普通の“駅構内にあるコンビニ”だったことです。

ヘルシー志向の商品もありましたが、パッと見て女性にターゲットを絞った店という印象はありませんでした。ヒゲ剃りも置いてあったし、青年漫画誌も置いてありました。店員は女性より男性が多かったのも意外でした。

まあ、地下鉄を利用するのは女性だけでなく男性もいるのですから当然といえば当然なんですが、あまり「女性客がターゲット」と連呼ばかりしていると、足元をすくわれるような気もしました。

ただ“ベージュ”でまとめられた『ナチュラルローソン』は“くすんだブルー”の『ローソン』とは違って、女性が入りやすいことは間違いない…とは感じました。

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2006年2月 3日 (金)

『ナチュラルローソン』 地下へ

21日に地下鉄の“東京メトロ”大手町駅構内を初めとして4店舗の『ナチュラルローソン』がオープンしました。

コンビニというと男性客が主たる客層となりますが、地下鉄店舗では女性客が6割を占めることから、この『ナチュラルローソン』もメインターゲットをランチ需要のOLに絞り、オリジナルのパンやサンドイッチ、春雨やフォーなどの低カロリーのカップ麺といったヘルシー志向の女性向け商品を充実させています。

215日には、さらに3店舗がオープンしますが、この新戦略は果たして成功するのでしょうか?

(参考資料:200622日 日刊ゲンダイ)

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2006年2月 2日 (木)

溶ける業態~コンビニ対SM

深夜マーケットでは、24時間スーパーと生鮮品の販売を始めたコンビニとの競争が激化しつつあります。

東京・武蔵野市の『セブンイレブン吉祥寺東町一丁目店』には、野菜20品目以上がずらりと並んでいます。500メートル離れた場所にマルエツの24時間スーパー『フーデックスプレス吉祥寺店』、さらに100メートル先に『ショップ99吉祥寺本町店』があるという立地で、セブンイレブンがあえて実験販売を始めた理由は「近くに24時間スーパーがあってもコンビニで生鮮販売が成立するかどうかを確認するため」だそうです。

セブンイレブンが、品揃えで勝るスーパーへの対抗策は、すばり“価格”でした。野菜高騰でも価格を据え置いたというだけあって、大半の商品でセブンイレブンのほうがスーパーより安くなっています。菓子や雑貨では定価販売だが、生鮮品では反対の手法をとった…というわけです。

しかし、そうはいっても消費者は生鮮品の購入はスーパーを選ぶ傾向があります。スーパーには、価格はやや高いが、鮮魚から精肉、日用品までそろえる強みがあり、学生から単身の会社員、主婦まで幅広い客を呼び寄せています。それどころか、さらに総菜や弁当も充実させ、コンビニの客の取り込みも狙う戦略も進めています。

とはいえ、セブンイレブンの今後の動向はスーパーにとっては気がかりであることは間違いないでしょう。

(参考資料:2006130日 日経MJ)

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2006年2月 1日 (水)

ロハスなラーメン

よりみち屋錦糸町店』は、「ラーメンは美味しいけれどスープを全部飲むと体に良くなさそう」という常識に真っ向から挑んだラーメン店です。

ここでは、ロハスをイメージした「味と健康を両立したラーメン」が楽しめます。主力商品の『鶏パイタン麺』は、スープのだしは鶏と玉葱、ニンニクなどの野菜から取り、麺は豆乳を混ぜてツルンとした口当たりに仕上げています。さらに味のアクセントとしてグレープフルーツを添えて、さわやかな風味を演出します。

また、店舗運営にもロハスの考え方を採り入れています。店内は終日禁煙とし、割り箸の代わりに塗り箸を使うことでゴミの量を3割程度減らしています。『よりみち屋』は次年度で10店の新規出店を計画していますが、さてこのロハスラーメンは消費者に受け容れられるのでしょうか?

(参考資料:2006127日 日経MJ)

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