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2006年3月

2006年3月31日 (金)

DS実験店がスーパーに挑む

大黒天物産のディスカウントショップ『ラ・ムー神戸灘店』は販売商品を食品に絞り、常時安売りのEDLPを打ち出した店舗です。東灘店は2200㎡の店舗面積で、品揃えは食品スーパーと殆ど同じで、特に冷凍食品売場に力を入れています。

通路の両側に15mにわたり大型冷凍ケースが並び、メーカー小売価格の半額で販売しています。大量陳列で人件費(商品補充が少なくて済む)と冷房費(冷気が逃げ難い)の削減も目指した売場作りでしたが、乱れがちな陳列、扉の開け閉めが不評、少ない弁当用冷凍食品需要などの原因でコスト削減どころか、売上すら思うように伸びませんでした。ただ、加工食品の売れ行きが好調なこともあり、月の売上は14500万円と取り敢えずの目標値はクリアしました。とはいえ、まだまだ理想には程遠い現状です。

この『ラ・ムー』から1km離れた競合店『マルナカ新在家店』は衣料品と日用品も含む3000㎡の売場で、月25000万円の売上をあげています。『ラ・ムー』開店当初は売上が5%減となりましたが、現在では客数は回復傾向となり、順調に巻き返しています。

チラシをまかない大黒天物産の知名度は開業して1年で浸透し、その後は毎年10%ずつ売上が伸びると言われています。ということは、開業1年となる4月以降の売上が同店の真価を問う基準となりそうです。

(参考資料:2006327 日経MJ)

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コンビニと外食店の融合

東京・神田神保町に『ナチュラルローソン西神田三丁目店』が2月にオープンしました。この店舗は、コンビニと外食店の融合を目標に、“ローソン”が異業種と手を組んで作った実験店です。

10種類のメニューが揃った30席のイートイン飲食場は、外食チェーンの“ナチュラルビート”が調理場を運営します。“ローソン”の狙いは外食店の持つ店舗調理ノウハウを導入し、コンビニ食品のイメージ一新することにあります。

しかし、現場オペレーションの未熟さ、人の出入りの多さによる慌ただしさ等の理由から、“興味は持ってくれるが、利用に至らない”お客さんの割合が高いのが現状です。

このように課題は多い融合店舗ですが、大手コンビニがまだ本格的に取り組んでいないことから、軌道に乗せればその成長の“伸びしろ“は大きいと言えます。

そのためにも、オペレーションや店舗設備を改善して、大学生が街に戻ってくる4月までに利用者をどこまで増やせるか?がポイントになってきます。

(参考資料:2006320日 日経MJ)

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2006年3月30日 (木)

ベストセラーはこうやって生む ③ 新報奨金制度

光文社は、新刊『ムンクを追え!』を10冊以上陳列した売場を作り、POP作成などの販促に協力してくれる書店については、販売実績に関わらずインセンティブを出す…という新しい報奨金制度を導入しました。(123日から331日の期間限定)

通常の報奨金制度は売れた分について1冊数十円を支払いますが、この新制度は売れる前から返品率を15%以下に抑えることを条件に150円を支払う点が特徴的です。

最近、“出版社が満数出庫で応じ、書店が売り切る努力をする”という責任販売制が広まりつつありますが、光文社はこれを一歩進めて“出版社から仕掛けて売れ筋を作る”という独自路線に挑戦したというわけです。さて、この試みは出版界の新しい流れとなるか?…注目したいです。

(参考資料:2006324日 日経MJ)

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2006年3月29日 (水)

ベストセラーはこうやって生む ② 本の割引販売

東京・神田神保町の『ブックハウス神保町店』では、全ての書籍にICタグを取り付けて、1冊ごとの取引条件を明確にし、買いきり商品と委託商品の区別を書店側が分かるようにしました。(今までは区別が難しくて、間違って返品されるルール違反が横行していました)

そして、返品できない本は、売れないと不良在庫になるので、売り切るように値引き販売をしています。この試みにより、この書店の客単価は、通常書店より若干高めの2000円となっているのです。

今後、売り切る自信のある書店は完全買取り制を取ることで利益も510%アップさせ、そうでない書店は従来どおり委託販売を行う…という二極化が進むと思われます。また、書籍は初版の原価率(単行本)は150%、重版が80%、3版が50%と大きく変化することから、弾力的な価格設定があることは望ましいとも言えます。

このような理由からも、本の割引販売が日本でも広がっていくのは、ごく自然の流れではないでしょうか?

(参考資料:200631日 日経MJ)

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2006年3月28日 (火)

ベストセラーはこうやって生む ① 責任販売制

出版社が注文通りに生産・出荷する代わりに、書店は仕入れた商品を必ず責任をもって売るという仕組みが責任販売制です。

中間の取次会社も責任の一端を引き受け、返品率が15%を超えた時は出版社の損失分を現金で補填します。この責任販売制は、返品を減らして(通常の委託販売下での返品率は4割超)コストを削減し、利益率を向上させると同時に販売機会損失を防ぐことを狙いとしています。

この取り組みが成功して大ベストセラーとなったのが『ダ・ヴィンチ・コード』です。責任販売制を導入したことで、売り切れ・入荷待ちという販売機会の損失を防ぐことが出来て、ベストセラー化を後押ししたのです。

(参考資料:200631日 日経MJ)

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2006年3月27日 (月)

春を待つ吉野家 静かに変身中 ④ 顧客の立場から

3日間に渡って吉野家の新たな取り組みを紹介しましたが、私も一利用者の立場としての感想を書きます。

味については、ここ数年の吉野家は味付けが濃く、さらに料理がレトルトっぽさを増しており、“価格を抑えている分だけ質を落としている”という印象を受けます。

また、アンケートについては、ほぼ全店にアンケートハガキを置いている松屋と比べると取り組みが甘いと言えます。もっと利用者が簡単に意見を言える場を作れるように努力して欲しいです。

様々な形態の店舗スタイルを模索するのは面白い試みだと思いますが、やはり吉野家はあのオレンジ色の『早い安いうまい』の店舗が一番合っているような気がしますね。



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2006年3月26日 (日)

春を待つ吉野家 静かに変身中 ③ 裾野を広く

吉野家は立地条件に応じてメニューを買え、想定顧客に応じて店舗作りを変える(サラリーマンが主体の都心部は牛丼主体の店、家族客が多い郊外は複数メニューの店というような)戦略を模索し、実験店舗を各地に設けています。

ファミレス型店舗(仙台市)

落ち着いた外観、テーブル席主体、店員が席までオーダーを取りに来るスタイル。

メニューはほぼ通常店舗と同じだか、家族連れが目立つ

ファーストフード型店舗(世田谷区)

ハンバーガー店のような店内で、カウンター注文精算し、好きな席に運んで食べるスタイル。2人がけのテーブル席を多くし、カップルや女性の2人連れを想定している

吉野家は上記の2パターンに加え、もう1つの店舗スタイルの開発を検討しているようです。これらの試みが順調に成功すれば、目標とする3000店体制(現在の3倍)への道も開けるかもしれません。

(参考資料:2006317日 日経MJ)

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2006年3月25日 (土)

春を待つ吉野家 静かに変身中 ② おいしく

吉野家が実施した2005年度の既存メニューの改良は33回を数えました。これは牛丼主力の2年前の11倍に当ります。具体的には、カレーの具の野菜を増やす、豚肉の厚さを帰る、サラダから匂いのきついキュウリを抜く…などといった地道なモノです。

新メニューの開発は車で言えばフルモデルチェンジですが、吉野家は“お客さんが無意識に満足度を高める”ようなマイナーチェンジたる既存メニューの改良に力を入れ、牛丼以外のメニューを新定番として育てています。また、主力19店舗に設置したハガキによるアンケート、メールや電話でも毎月数十件寄せられる苦情や相談を、『お客さんの声に基づいたお客さんが気付かない味の進化』への大きな原動力と位置づけています。

(参考資料:2006317日 日経MJ)

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2006年3月24日 (金)

春を待つ吉野家 静かに変身中 ① 巧みに

吉野家は、メニューの増加により経営哲学の一角『早い』崩壊の危機を迎えました。

しかし、その危機を救ったのが、現場を知り尽くした店長達でした。彼らは、昨年後半からエリアごとに毎週集まり、情報を交換するようになりました。

そしてできたのがA4判30ページの小冊子『単品管理マニュアル』です。ここには、状来のマニュアルには規定されていない現場のナマの工夫が詰まっており、作業効率の向上や店舗運営の見直しに大きく貢献しました。

(参考資料:2006317日 日経MJ)

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2006年3月23日 (木)

レクサス 信頼の秘訣

レクサスで最も高い販売効率を誇る「住吉山手店(神戸市)」は、購入者の3割を輸入車ユーザーが占めます。もともとトヨタが弱い地域であったにも関わらず、市場を開拓し、このような結果を出した秘訣はあっけないほどシンプルなモノでした。

それは、『故障やトラブル、相談があれば四の五いわずに真っ先にお客さんの元に駆けつける』ことでした。

従来の販売店が車を売ることをゴールにしていたのに対して、レクサスは車を売るところからお客さんの関係が始まると考えています。生の情報を得ることでマニュアルを超えたサービスが生まれ、店舗は強くなります。

それがブランド力を高め、さらにお客さんを惹きつけるという好循環に繋がります。

(参考資料:2006320日 日経産業新聞)

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2006年3月22日 (水)

キティ対ちびまる子~台湾の陣

台湾のコンビニで日本製のキャラクターが激突しています。

業界首位のセブンイレブンが「ハローキティ」のバッチを景品として提供するサービスを始めたのに対抗し、業界3位のハイライフは「ちびまる子ちゃん」の磁石プレートの配布を始めました。セブンイレブン、ハイライフ、ともに77台湾ドル(約280円)の買い物をすると、景品が貰えるという仕組みなのですが、これがかなり人気を集め、販売促進に貢献しているということです。

台湾は人口当たりのコンビニ店舗密度が実質世界一と言われています。

そんなコンビニ激戦地で日本のキャラクターが活躍しているというのは、何とも不思議な感じがします。

(参考資料:2006317日 日経MJ)

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2006年3月21日 (火)

エキュート 地域との共生

向かうところ敵なしのエキュートですが、死角があります。それは地域との共生です。

駅周辺の商店街は、駅構内が商業施設できることが乗降客の流れを止めてしまい、周辺の商店を弱体化させていると不満を持っています。

JRとしても地域と敵対するつもりはなく、共生する方法があるならば積極的にやっていきたいという方針を持っています。

その第一弾として、駅構内に保育所を設けることに力を入れています。現在16ヶ所ありますが、これを埼京線沿線を中心に増やしていき、周辺の商店街にとってもプラスになるような施設作りを目指しています。

(参考資料:2006313日 日経MJ)

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2006年3月20日 (月)

エキュートで人材育成

エキュートはJR東日本ステーションリティングが運営しています。

この会社は、グループの小売飲食業各社から出向の形で集まったメンバーがノウハウや経験を積んで、また元の会社に戻っていくというプロジェクトチームスタイルを取っているのが特徴です。

この機動力こそが同社を駅ビルビジネスのインキュベーター(孵化器)として活性化させているのです。エキュート品川の開業にたずさわった8人の社員も3年で元の会社に戻り、エキュートでの経験を活かすことになるのです。

(参考資料:2006313日 日経MJ)

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2006年3月19日 (日)

駅ビルのブランド戦略

JR東日本グループが運営する駅ビルは店によってテナント政策に違いをもたせています。ここでは、代表的な駅ビルであるルミネ、アトレ、エキュートの店舗戦略を簡単にまとめてみます。

『ルミネ』 ファッションブランド中心で、高級感や上質感を前面に打ち出し、高価格の商品を揃えています。テナントの競争や入れ替えも激しいのが特徴です。

『アトレ』 飲食店や一般サービスのテナントも多く入っています。どちらかと言うと、手頃な価格が売り物と言えます。

『エキュート』 自ら商品を仕入れて、各店舗に卸す百貨店型のビジネスモデルです。空間デザイン、店舗誘致、店の商品戦略そして運営にも深く関わるのが特徴的です。

(参考資料:2006313日 日経MJ)

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2006年3月18日 (土)

駅ビルが目覚める日

JR東日本が巨大な小売業としての存在感を強めています。

2004年度の連結売上高25000億強のうち、その3割がサービス小売関連事業です。

ルミネ、アトレ、エキュートなど運営する駅ビル120社の売上高は9700億円ですが、この数字は三越を抜き、百貨店首位の高島屋に迫る勢いです。

しかし、JR東日本にはかっての左ウチワの不動産業で十分に食べていけた時代のような姿は全くありません。急ピッチで進むJR東日本のサービス小売戦略が、百貨店やスーパーといった他の業態を脅かしています。

(参考資料:2006313日 日経MJ)

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2006年3月17日 (金)

湘南電車型キヨスク

JR藤沢駅のホームにオレンジと緑のツートンカラーで親しまれた湘南電車をイメージしたユニークなキヨスクがこのほどオープンしました。

湘南カラーの車両はこの3月で引退してしまいますが、こういった形で高度成長を支えた湘南電車の記憶を残すというのは、鉄道ファンならずともウレシイです。今後もその地域の良さをイメージした駅構内店舗の開発は必要になってくると思われます。

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2006年3月16日 (木)

コンビニとドラックストアの融合店舗

コクミンが京阪・守口市駅構内にコンビニとドラックストアの融合店である『プラグイン』を開業して4ヶ月が経ちました。“あると便利な融合店を駅構内に作れないか”という発想からスタートした同店ですが、200㎡という限られた売場を、スナック菓子や弁当の“元気ゾーン”と風邪薬やサプリメントとを充実させた“癒しゾーン”に分けることで、狭い空間を有効活用しています。

さらに化粧雑貨、差埔里の品揃えを強化したことで、女性客が増えて売上が3割増加するという好調ぶりを維持しています。

今後は早く店舗モデルを確立させ、駅ナカだけでなく、街ナカにも出店することを目指しています。

(参考資料:200638日 日経MJ)

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2006年3月15日 (水)

極真空手でフィットネス

昨年の10月恵比寿に空手を取り入れたフィットネスクラブがオープンしました。

特徴としては、プロの格闘家も使う道場で練習できること、極真空手の型や呼吸法を使ったエクササイズ教室があることです。会員の8割は女性で、評判も上々です。

今年の4月からはマクロビオデックのレストランもオープンさせ、食事・フィットネス・エステを組み合わせた総合メニューを作成します。また順次、キックボクシングや総合格闘技のエクササイズ教室も開き、美容と健康の総合施設を目指します。

(参考資料:200628日 日経MJ)

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2006年3月14日 (火)

タクシーの駅すぱーと?

無料サイトの『タクシーサイト』は、運賃の目安や道順を表示するサービスです。

出発地から目的地までの運賃の目安を計算し、地図上で経路まで表示してくれるので、事前にチェックしておけば、乗車した際に運転手が遠回りしよう?としたら指摘することができます。

また、領収書を貰い忘れても、おおよその金額を知ることができます。

グーグルマップスを取り入れたことで、このようなサービスが可能となりました。また、運営については、880のタクシー会社からの広告収入を充てています。

(参考資料:2006227日 日経MJ)

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2006年3月13日 (月)

美容院の作る無料誌

美容店チェーンの田谷は、富裕層を囲い込むためのツールとして、隔月発行の無料雑誌『 Gracious 』を創刊し、全店舗に配布することにしました。編集はKKベストセラーズが担当し、“癒しの時間と美しいライフスタイル”をテーマとしています。(目標発行部数は8万部)

この雑誌を発行することで、優良資産であるお客さん(40歳以上の富裕層)の固定化と有効活用(客単価のアップ)という“一石二鳥”の効果を田谷は狙っています。

出版費用は広告費で賄うこととしていますが、将来的には、“読者層を絞り込んだ広告媒体としての価値”を高めて広告収入を増やし、新たな収益源として成長させようとしています。(参考資料:2006313日 日経MJ)

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2006年3月12日 (日)

店舗こそが舞台

低価格均一メガネ店『ゾフ』の運営する『Zoff銀座コア店』は様々な話題を提供している注目店ですが、その一つが元役者さんの岡村尚志店長です。

岡村店長は、役者の経験を“このお客さんはリードすべき”、“このお客さんは自由に任せる”といった判断、つまり“場の空気を読む接客“に活かしています。

接客に一番大切なのは、お客さんが何を望んでいるか?を瞬時に判断することです。

そういった意味で「舞台における役者さん」と「店舗における店員さん」には同じ能力が要求されるとも言えるわけです。

ちなみに『Zoff銀座コア店』の岡村店長効果?もあり、数百万円の月間売上を確保…滑り出しは順調です。

(参考資料:200631日 日経MJ)

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2006年3月11日 (土)

お礼のハガキで思い出させる

あるソバ屋さんの話です。この店では、初めて来店したお客さんには必ず個人情報を教えて頂き、後日にお礼のハガキを出すように心がけています。

ある日、前日にお礼のハガキを出したお客さんが家族を連れて来店しました。

店に入るなり、「ハガキ届いたよ。ありがとう」と声をかけてくれました。

そして、続いて言われた「夕食の用意が出来ていたけれど、ハガキを見たら、すぐに来たくなった」という言葉に店主はとても驚きました。

この話は、“お客さんが思い出してくれた”という点がポイントです。別の言い方をすると、お客さんが店に足を運ばない大きな理由は、“足を運ぶ理由がない限りこのように店を思い出さない”ということなのです。

さらに重要なことは“思い出した時に行きたくなる店を作る”ということです。

そのためには、“お礼状の好印象”と“前回の料理やサービスの満足度”が必要になってきます。

このソバ屋さんの蕎麦は美味しいのですが、“いくら美味しい店であっても、このハガキが届かなければ、今日のリピートはなかった”ということが商売のキモなのです。

(参考資料:200631日 日経MJ)

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2006年3月10日 (金)

レクサス 開業半年の誤算と期待

レクサスが国内展開を始めて、今年の2月末で半年が経ちました。

2005年の販売台数は10,293台と社内目標の半分にとどまりましたが、誤算の理由としては、ISの伸び悩み、高級輸入車のユーザーを十分に取り込めなかった…ということが考えられ、目標と期待がごちゃまぜになっていたと言えます。

このように出足は鈍かったのですが、最近になって“レクサス”というブランドは確実に浸透し、受注台数も上向きつつあります。

そしてまた、やってみて初めて分かったこともありました。例えば、富裕層には、“購入までに数ヶ月をかけ、買うまでのプロセスを楽しむ人が意外に多い”ということがあげられます。ですから、スローな立ち上がりの理由は、富裕層の購買行動を事前に把握しきれなかったとも言えるわけです。

実際、今年に入ってから、開業時から時々来店していたお客さんがようやくクルマを購入してくれたという事例が増えています。あとは善戦している経験をLS投入までにどう活かすか?…にかかっていると言えるでしょう。

(参考資料:2006228日 日経産業新聞)

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2006年3月 9日 (木)

食品スーパー“3つのS”~ 鮮度

『光洋』が大阪・梅田に近いオフィス街に設けた南森店は、定期的に開催される生マグロの威勢の良い解体を集客の目玉イベントとしています。

マグロは冷凍品を一切仕入れずに、生マグロにこだわるとともに、一尾丸ごと解体したマグロをすしや総菜の具材にも使うことで、出来立て感を強調するとともに廃棄ロスも減らしています。

光洋の強みは、正社員の多くが鮮魚や精肉の加工ができることですが、人件費の高騰を抑えるためにも若手社員を熟練した生鮮加工の技術者に育成する自前主義を貫いています。

チラシでも鮮度へのこだわりを強調しています。使いまわしの生鮮品の写真を使わずに、本社内のスタジオでその都度撮影した写真を使用しています。時には、漁場まで出かけて入荷したばかりの鮮魚を撮影することもあるそうです。

光洋は、“鮮度を強く打ち出すことが差異化につながる“という戦略を取ることで、デパ地下の客層を切り取り、勝ち残りを目指しています。

(参考資料:200631日 日経MJ)

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2006年3月 8日 (水)

食品スーパー“3つのS”~ 品揃え

九州北部が地盤の『レッドキャベツ』の高級住宅地に隣接する店舗では、陳列棚を埋め尽くす大量の商品が並べられています。その中で目立つのは、郊外立地の食品スーパーでは殆どないフカイレやキャビア、オマールエビなどが1000品目も揃っている点です。同社は、品揃えを豊富にすることで、“値段にあまりこだわらない、多種多様な商品を求める都市型の消費者”を呼び込もうとしています。低価格競争に巻き込まれずに済む立地で、高級品を手にとってもらえれば客単価のアップにもつながります。

ただし、高級食材を充実させた豊富な品揃えは在庫や鮮度劣化による廃棄を増やしかねない両刃の剣です。このため、商品回転率が低い高級食材は一品から発注できるように取引先と交渉し、在庫を絞り込んでいます。(参考資料:200631日 日経MJ)

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2006年3月 7日 (火)

食品スーパー“3つのS”~ 総菜

オフィス街にある高層複合ビル“トルナーレ日本橋浜町”にある『大丸ピーコック』の入口には食品スーパーで当たり前の青果売場がありません。

785平方メートルという手狭な店では、青果売り場は奥に引っ込み、代わりにデパ地下風の総菜・弁当コーナーが陣取っています。これは店が「都心で生活する消費者には健康に配慮した商品の人気が郊外に比べて高い」と読み、低カロリーや食の安心・安全に配慮した商品に力を入れているためです。動物性たんぱく質や砂糖、化学添加物を使わず低カロリーの“マクロビオテックの総菜コーナー”を設け、揚げ物が中心の郊外や住宅街のスーパーの総菜コーナーとは一線を画しています。

また、同店の特徴としては、高価格の商品が郊外のスーパーと比べて売れることもあげられます。これは、健康にも配慮するがグルメ志向が強い消費者が都市部には多いからでしょう。

(参考資料:200631日 日経MJ)

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2006年3月 6日 (月)

食品スーパー“3つのS”

売り場面積1000平方メートル弱の都心の食品スーパーが脚光を浴びています。

その理由は、まちづくり三法見直しにより、大型店の郊外出店が厳しくなり、都心部へのスーパー出店が今後増えると予想されるからです。

都心は、郊外や住宅街以上にお客さんのニーズが幅広いと言われています。

ですから、デパ地下やコンビニとの競争に勝つためには、“3つのS”を磨く必要があります。その“3つのS”とは、健康志向に対応した『総菜』、高級食材を増やした『品揃え』、管理が厳しい生鮮品の『鮮度』を指します。

明日から“3つのS”について検証していこうと思います。

(参考資料:200631日 日経MJ)

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2006年3月 5日 (日)

良い私語 悪い私語④ 

厨房におばちゃんがいて、20代のアルバイトがいる“家庭的な居酒屋”での話です。

ある落ち着いた時間に店に入ると、アルバイトの女の子達が棚の奥にあるキープボトル(たぶん最近ご無沙汰のお客さんのボトル)を整理し始めたのです。そして、彼女達は「○○さんのボトルだ!最近いらっしゃらないよね」「ああ、確か背が高くていつもニコニコされている方ね」「あっ、この△△さんって…」と一本一本名前を確認してはお客さんを思い出して、ボトルを棚に戻しました。その会話や仕種からお客さんを大切にしている気持ちが伝わってきて、思わず胸が熱くなりました。

この居酒屋は店構えこそはありふれているが、こんな風に一人ひとりのお客さんを大切に思ってくれるからこそ、いつも賑わっており、“また来たいなぁ~”と思わせてくれるのです。

(参考資料:2006111日 日経MJ 北山節子コラムより)

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2006年3月 4日 (土)

良い私語 悪い私語③ 

今日は、良い私語について触れたいと思います。

初めて入った“ある定食屋”での私の体験です。

家族的な雰囲気のこのお店では、店員さん同士でお喋りを“ずっ~と”しています。しかし、不愉快になるどころか、何だか心地よい気持ちになります。

つまりは、私語が家族的な飾らない雰囲気を演出している…というわけです。お客さんは黙ってモクモクと食事をしていますが、私語を肴にして食事を楽しんでおり、私語が“粋なスパイス”になっているのです。

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2006年3月 3日 (金)

良い私語 悪い私語② 

悪い私語にも、気になるモノと気にならないモノがあります。

例えば同じコーヒーチェーンでもA店での私語はそれほど気になりませんが、B店での私語は大変に耳障りで不愉快だったりします。何故?このように店によって気になったり、ならなかったりするのでしょうか?

まず考えられるのは、社員教育といったソフト面の理由でしょう。バイト教育のダメな店では私語をするにしても大きな声を出しますが、ある程度シッカリしているところだと、声のトーンを落して話します。また、最近は管理職である店長がアルバイトの士気を上げるため?に楽しいお喋りを演出しようと勘違いしているケースも見受けられます。

次に考えられるのは、店舗構造といったハード面です。声が客席に通りやすい構造だと私語が気になりますが、そうでなければ問題になりません。また、店内のBGMが賑やかだと当然のように私語は目立たなくなります。

つまりは、ソフト面の店員教育とハード面の店舗構造の両面から私語対策を考える必要があるのです。

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2006年3月 2日 (木)

良い私語 悪い私語①

接客で気になるのが、店員さんのお喋りです。

いくら素晴らしい挨拶をしようが、感動的な御礼の言葉を言おうが、ふとした店員同士の私語が全てをぶち壊してしまうケースがよくあります。

お客さんは聞いてないフリをしていますが、思っている以上に店員さんの行動を観察していて、「ああ、ここはダラシナイ店だなぁ~」と思っています。 

また、そういった事実を経営者の方がそれほど意識していないのも現実でしょう。

ただ、私語が全てダメということはありません。

悪い私語はお店をダメにしますが、良い私語は人間味溢れる店作りに貢献してくれます。この辺の塩梅がまた難しいのです。

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2006年3月 1日 (水)

食品スーパー バラ売り復活

“肉は4050グラムから”、“食パンは1枚から”…といった「バラ売り」がスーパーの店頭で復活しています。食品の売り方としてかって主流だった「バラ売り」が復活してきた理由としては、“食生活に必要な量だけを買いたい”というニーズが少数世帯を中心に消費者の間に高まっているためとみられます。

2010年には、単身と夫婦だけの世帯が2500万世帯を超える見通しもあることから、ますます“個食型”の売場が広がりそうです。

オダキューOX 経堂店

ロースなどの薄切り牛肉を一枚から好きなだけ選び取れる

果物はイチゴを一粒単位、バナナも一本から販売する

サミット芦花公園駅前店

6個入りのロールパンを3個入りにして発売する

豚肉の切り身は一枚単位で販売して、二人世帯でも食べきれるように対応している

大丸ピーコック トルナーレ日本橋浜町店

食パンを一枚入りパックにして試験販売し、1ヵ月に約100枚の売れ行き

(参考資料:2006224日 日本経済新聞)

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