外食産業の常識を疑え!② 店ごとに求める食材は違うはず
『ヴェア・ホールディングス』はグループ一括仕入をせず、傘下事業各社が個別に仕入れをしています。ここでは、その実例を簡単に紹介します。
海鮮居酒屋の『魚や一丁』は、以前は刺身用として冷凍品を使っていましたが、現在ではすべて生の鮮魚を使い、冷凍品は一切使っていません。このため、原価率は38%から53%に大幅に上がりましたが、「お客さんを呼べる刺身料理」を目指すために、敢えて冷凍品を追放しました。
焼鳥屋の『総本家美長絵扇屋』とは、社長が同じなのですが、食材の一本化はしません。その理由は、業態によって食材に求める品質レベルが違うからです。
例えば、マグロのネギトロは、『魚や一丁』では生マグロの中落ちを仕入れ、包丁で叩いて作れますが、『総本家美長絵扇屋』では、ネギトロの状態になっている低価格の冷凍パックを使います。これはネギトロを集客の武器と位置づける『魚や一丁』に対して、『総本家美長絵扇屋』は単なるサイドメニューと考えているからです。
また、米は『魚や一丁』では酢飯用を、『総本家美長絵扇屋』では焼きオニギリに向いた種類を仕入れています。
(参考資料2006年4月24日 日経MJ)
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