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2006年6月

2006年6月30日 (金)

食品スーパーの価格激戦①

近隣に約20の競合店がひしめく立地の食品スーパー『オーケー相模原』(神奈川県相模原市)は、価格競争対抗策として効率を追求しています。

向こう一週間の販売量を予測する発注システムを稼動させることで、在庫と廃棄ロスを減らしながら販売機会の損失を防ぐモデルを目指しているのです。

このシステムを利用することで、1週間前に予定量を知らせておけば、納品の2日前に発注することが可能となり、多めになりがちな発注問題を解決することができ、結果として在庫を半減することに成功しました。

粗利益20%台半ばの食品スーパーの中でも、オーケーのそれは19.3%とかなり低いのですが、資金効率の高さを武器に異業種と渡り合い、営業利益率は4.4%と業界高水準を誇っています。

(参考資料:2006619日 日経MJ)

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2006年6月29日 (木)

泣く子とW杯には勝てない

先日のブログとタブるかもしれませんが…W杯の熱戦が外食産業の業績に影響を与えています。

焼肉チェーンの『がんこ炎』は21日に20069月期の単独経常利益を発表しましたが、従来の予想を下回る23000万円に下方修正しました。客層の中心が2030代のため、6月に入り、W杯の影響で来客者数が低迷したことも一つの理由とみられます。W杯による客数減は当初から織り込み済みではいましたが、実際のところは予想以上だったようです。

居酒屋チェーンの『かんなん丸』では、オーストラリア戦のあった12日は、カラオケ店等を含む全72店の売上が通常より3割減ったと言います。

4年前の日韓大会と比べると影響は少ないようですが、それでも日本戦がある日は売上減に泣いた飲食店は多かったようです。

(参考資料:2006622日 日本経済新聞)

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2006年6月28日 (水)

サッカーだけじゃないよ、ブラジルは…

ブラジルのように、ビーチサンダルからジェット機まで手広く生産し、しかも多彩な分野で独自の技術とサービスを誇る国はまず見当たりません。圧巻はその輸出力で、牛肉、煙草、コーヒー、オレンジジュース、鉄鉱石が世界第1位、大豆、アルミニウムが世界第2位となっています。

格安航空会社のGOLが5年で国内第2位に急成長する一方で、環境に優しいミニカーのオブビオを開発したり、はたまた選挙の電子投票も積極的に導入されたりと多芸多才ぶりを発揮しています。

とはいえ、ブラジルの最大の輸出品はやはりサッカー選手です。そのことは、欧州サッカーリーグ、そしてワールドカップのブラジル選手の活躍ぶりが証明しています。

(参考資料:ニューズウィーク2006614日号)

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2006年6月27日 (火)

マイナス金利がバブルを演出?

名目金利から消費者物価指数の変動率を引いた数値が実質金利です。現在のところ、大手都市銀行の1年もの定期預金の金利が0.08%、4月の変動率が0.5%ですので、実質金利は△0.42%となります。

実質マイナス金利下では、預金の価値が実質的に目減りすることから、預金で持っているより、モノを買ったり投資したりするほうがお得となります。実際に都心の不動産を借金して投資物件として購入する人や資産形成目的で美術品を買う人が増えています。

このマイナス金利、預金金利が上昇すれば解消されるものですが、必要以上に長引くと消費や投資を刺激しすぎて景気に加熱感つまりバブルが生まれる恐れもあります。

(参考資料:2006623日 日本経済新聞)

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2006年6月26日 (月)

景気は回復なの?拡大なの?

日本全体の景気はまだ回復局面なのか?それとも拡大局面なのでしょうか?日銀や政府はこの二つのキーワードを使い分けています。

まず、日銀は5月の金融経済月報で景気の先行き判断を先月の『着実に回復』から『緩やかに拡大』に変更しました。この指標は需給ギャップを目安に判断しています。デフレの原因だった需要不足が需要超過に転じて、日本経済は健康体に戻ったと判断したわけですが、ゼロ金利解除に向けての地慣らしを進めるという狙いも多分に含まれていると思われます。

次に、政府は6月の月例経済報告で景気の基調判断を『回復している』に据え置きました。これは、景気水準や景気動向指数、鉱工業生産指数などを重視して判断していますが、利上げに慎重な政府関係者のゼロ金利解除の口実を与えたくないという思惑も含まれているでしょう。また、民間のエコノミストの間では、『まだ回復期にある』との見方が大多数です。

ゼロ金利解除を巡っての日銀と政府の綱引きがあるにせよ、立場によって景気判断が割れるということは、「悲観的になることはないが、まだまだ安心はできない」ということを意味しているのでしょう。今後はゼロ金利解除も大きなポイントとなることから、企業各自の努力に加えて政府、日銀の適切な政策運営がガキを握ると言えるでしょう。

(参考資料:2006622日 日本経済新聞)

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2006年6月25日 (日)

定番となりうるのか?岩盤浴

松竹が、駅周辺や繁華街に保有する自社不動産の一部を活用して、岩盤浴やエステ、ネイルサロンといった女性向け健康関連事業に乗り出します。

まず、620日に大阪市中央区に岩盤浴施設としては国内最大規模(49床)を誇る『ロハスタイム』をオープンしました。初年度の利用者15万人、2億円の売上を見込みます。

(参考資料:2006619日 日経産業新聞)

全国各地で続々とオープンしている岩盤浴施設ですが、息の長い施設となりうるかは?はまだ未知数な部分があります。この『ロハスタイム』の運営状況で、その将来性を計ることができるかもしれません。

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2006年6月24日 (土)

高齢者向けコンビニ

ローソンは、和菓子や白髪染めなど高齢者向け商品を増やした新型コンビニを出店します。まず今秋までに全国7箇所の実験店を設け、2007年度からの多店舗展開に備えることとしました。

淡路市の実験店では、煮物などの和風弁当や日本茶を揃えるだけでなく、通路を広くして買い物籠を載せるカートを用意するなどハード面でも高齢者が利用しやすいような工夫をしています。さらに、店内にはテーブルやマッサージチェアを置き、飲食や会話を楽しめるスペースを提供しています。

“コンビニを高齢者の活動拠点にする”というローソンの試みに注目してみましょう。

(参考資料:2006624日 日本経済新聞)

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2006年6月23日 (金)

ピンポンコンビニ

神保町にあるファミリーマートにぶらっと入って驚きました。なんと!店の奥が卓球場なんです。ここは、昨年夏までファミレス(確かジョナサン)だったこともあり、都心部のコンビニとしては広い部類に入ります。加えて住宅地ではない(夜間人口が少ない)こと、さらに2件先にすでにコンビニ(しかも同じファミマ)があることなど決して恵まれた立地ではありませんで、何か差別化が必要ということで、このような異例な卓球場併設のコンビニとなったと推測されます。コンビニ飽和期であることを考えると、こういった戦略もありかもしれません。ただ、運営をシッカリやらないと、店の活気まで奪われてしまうという危険性もあります

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2006年6月22日 (木)

高級コンビニ弁当 健闘中

ナチュラルローソンが4月に発売した高級幕の内弁当『花楽膳』がまずまずの滑り出しをみせています。

920円と言うコンビニ弁当としては通常の弁当の2倍近い価格にも関わらず、一店舗あたり1日5個を売る健闘ぶりです。

商品化にあたっては、百貨店の1000円以上の弁当を参考にし、それらと同等の品質を維持しつつローソンの調達力や物流網を活用して、消費者がお買い得と感じる900円台に価格を設定しました。そして、この味や素材にこだわった商品作りが評価され、4050代中高年層の需要を取り込んでいるというわけです

(参考資料:2006612日 日経MJ)

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2006年6月21日 (水)

飲食店が恐れるワールドカップの底力

4年前の日韓大会で飲食店を恐怖のどん底に叩き落したサッカーのワールドカップ。今回は時差のあるドイツということもあり、前回ほどではありませんが…やはり影響が出ているようです。

14日の日刊ゲンダイによりますと、日本の初戦の12日の夜は、都内の繁華街が水を打ったように静まり返り、賑やかだったのは店内でテレビ中継しているスポーツカフェやレストランだけだったそうです。

また、日本戦開始の直前のコンビニでは、テレビ観戦に備えて飲み物等を買い求める人がレジに行列を作るという異様な光景を二度も見ました(私も並んでいる一人でしたが…)

このW杯人気が定着すると、ひょっとして4年ごとに6月は連続して休みを取る飲食店が出て来るかもしれませんね。

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2006年6月20日 (火)

安さから専門性に舵を取ったマツキヨ

マツモトキヨシが、ドラックストアと調剤薬局を融合した店舗を500店増やすことを目指しています。

これは、繁華街を訪れる“顔の見えない顧客”を浅く広く吸引する戦略から住宅地に出店して“周辺住民”の需要を深く掘り下げる戦略への転換を意味しているのです。

この構想のモデル店は、複数の病院が入居する医療モール内の『白河三丁目店』です。

月間に受け容れる処方箋は約3000枚を数え、調剤専門薬局と比べても引けを取らない水準を誇っています。

固定客の割合は80%に達し、さらに薬剤師に体調の相談をする客も増えて“町の掛かり付け薬局”を目指す戦略が成果を上げつつあります。そして、店頭に訪れた顧客に病院を紹介するなど“地域医療の窓口”として病院との関係が深まりつつあります。

このような業界最大手の挑戦が業界地図を変えるかもしれません。

(参考資料:2006619日 日経MJ)

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2006年6月19日 (月)

シアトル系カフェ フードで勝負②

シアトル系コーヒーチェーンでは、フードの充実に力を入れ、成功を収めています。

エクセルシオールカフェでも昨年7月から始めたスープセットが既存店舗の牽引役になっているそうです。しかし、このスープセット2日の日本経済新聞では480円と紹介されていましたが、コーヒーを付けると800円近くになり、個人的には「高いなぁ~」という印象を持っています。

さて、この割高とも言えるスープセットが人気があるというのは、“食事はできる限り安く済ませたい”という消費者心理の変化なのでしょうか?…それとももっと別の理由があるのでしょうか?

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2006年6月18日 (日)

シアトル系カフェ フードで勝負①

スターバックスなどのシアトル系コーヒーチェーンでは、フードの充実に力を入れています。その結果、熱々のサンドイッチやボリューム満点のパンといった新メニューが中年サラリーマンら男性の新たなる支援を得るようになりました。夕食時に利用するOLも増えたこともあり、カフェは一息つくだけの利用からレストランへ役割を変えつつあります。

スターバックスコーヒー

4月下旬より、朝はフレンチトースト、昼はホットサンド、午後は甘いケーキ類といった時間帯別のメニューを開始し、食事を書くとした集客促進策を進めています。

ターリーズコーヒー

35月の食事売上高が前年同月比6%増となりました。売れ筋の1位は胚芽パンで燻製した鶏肉とタップリの野菜を包んだサンドイッチで、若い男性にも好評でした。

(参考資料:200662日 日本経済新聞)

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2006年6月17日 (土)

おるすばん券

ある大阪のビジネスホテルでは、バイキング形式の朝食レストランに行くと、『おるすばん券』というプレートのようなモノを渡されます。そこには、こう記されています。

「お席は自由でございます。お戻りになられるまでお留守番をさせていただいております。ごゆっくりとお料理をおとり下さいませ。お帰りの際はこちらお持ち下さいませ」

つまり、このプレートを席に置いていれば、追加料理を取るために席を離れても、勝手にかたずけられることがないのです。ゆっくりと朝食の時間を過してもらおうというホテルの心遣いが伝わる、そんな工夫を感じました

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2006年6月16日 (金)

生鮮コンビニ これが私の生きる道

生鮮コンビニの『九九プラス』は商品政策を、“値ごろ感重視”から“品質の高さや安全性重視”へと軌道修正しました。これは、女性客の減少による客単価の下落に歯止めをかけて、既存客を活性化する狙いがあります。

この施策は、堀社長は「コロッケは3個もいらないから、もっと揚げる脂にこだわって」というお客さんの声を目の当たりにしたことからスタートしました。

女性客は既に量より使用材料など質を重視する心理に変わっていたのに、それに応える商品が不十分だったことを反省し、加工食品や飲料の独自商品の見直し(保存料や着色料の使用基準の厳密化)を行い、今期中に青果物も原則、国産品にして生産履歴の表示も始める施策を打ち出したというわけです。

生鮮コンビニは、消費者嗜好が単なる安さから品質や安全性になったという現状に合わせて、その姿を変えつつあるのです

(参考資料200662日 日経MJ)

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2006年6月15日 (木)

新・癒しサービス③ 耳まで愛して?

南青山にある『Resplendir』というエステサロンには、何と「イヤーエステ」という耳のノンリンパマッサージをしてくれる(耳掃除も当然します)サービスがあるそうです。

70分で13650円という値段と、エステという言葉の響きもあり、私はちょっと立ち寄れそうもありませんが、今後は癒し系の新たなるメニューの一つして“耳”が注目を集めそうな気がします。

“耳つぼ”というと時代に取り残された感じですが、“イヤーエステ”というと何だか新鮮な印象を与えてくれます。このイメージの響きを活用するというのも一つの戦略かもしれません。

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2006年6月14日 (水)

新・癒しビジネス② 歯を治療しない歯の専門店

昨年末に、口腔ケアサービスの専門店『スマイルケア心斎橋』が誕生し、注目を集めています。

このお店では、歯の治療はしませんが、歯本来の艶を蘇らせる歯磨きをしてくれます(基本コースは404000円)

現在の利用客の9割を女性だそうですが、口腔ケアというサービスは男性のニーズもあると見込まれる(オジさんは楊枝でシーハーしてるじゃないですか!)ので、上手な掘り起こしができれば、市場の拡大はかなり期待できそうです。

経営する“チームワーク28”は、2年後200店体制を目指しており、口腔エステを気軽に楽しめる時代がやってきそう?な気配がします。

(参考資料:2006530日 ビジネスアイ)

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2006年6月13日 (火)

新・癒しビジネス① シャンプー専門店

新橋・西新橋というオフィス街で、洗髪と頭皮マッサージを専門とするシャンプー専門店『シャンプーや』が人気を集めています。わざわざ職場の近くで、シャンプーだけを頼むニーズなどあるわけないと思われがちですが、朝7時からの営業ということもあり、夜勤明けの看護婦や徹夜したサラリーマンから好評を得ています。利用客としてはサラリーマンを想定していたそうですが、意外や意外7割が女性客という状態です。

短時間でゆったりと癒された気分になるサービスのプログラム(152100円のクイックシャンプーコース)が用意されており、精錬されたシャンプーの技で短時間でリフレッシュできる空間はまるでオフィス街のオアシスなのです。

(参考資料:2006530日 ビジネスアイ)

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2006年6月12日 (月)

専門店ビルへの業態転換の難しさ

今年3月に業態転換した東急百貨店港北店(横浜市)では、郊外店の専門店ビル化の先行例となるべく、試行錯誤を繰り返しながら奮闘しています。

30代のファミリー層といった顧客層を絞りこんで来店客の増加につなげる狙いでカジュアル衣料の『ザラ』、ハワイ雑貨の『フラハワイ』を誘致して、来客数で前年比50%増、 買い物客数も前年比5%増となり、集客面では成功しました。

しかし、百貨店が最も得意とする40歳以上の既存客が予想以上に離れたという誤算のため、既存客の減少という失敗がありました。

売上面では、4階のインテリア用品売場は改装しなかった為、商品構成と買い物客が噛み合わずに15%減、業態転換をせずに自前で運営するB1の食料品売場も顧客が若い世代に移り、客単価が減少したため、7%減となりました。

対策として、東急百貨店では4階のテナントを入れ替える予定でいますが、三越新宿で核テナントのロフトの撤退した例で分かるように、専門店ビル転換への道のりは厳しいのが現状です(参考資料200665日 日経MJ)

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2006年6月11日 (日)

ちょっと一杯は“1時間20分“

サラリーマンやOLの400人を対象にしたネットアンケート(シチズン時計調べ)によると、“仕事帰りのちょっと一杯”は1時間が47.3%、2時間が22.3%という回答があったそうです。これを平均すると1時間19分、つまり社会人が“ちょっと一杯飲んでいこうよ!”というのは大体1時間20分ということになるのです。

こういった点からも、立ち呑み居酒屋の人気の理由が分かる(1時間20分なら座らなくてもOKですよね)ような気がします。

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2006年6月10日 (土)

招客の4か条

①こだわりを語る

ガソリンスタンドでタイヤ拡販をするたに当たり、タイヤと空気圧の重要性をニースレターやキャンペーンを通じて説明しました。すると、この熱意が顧客に伝わり、タイヤが売れるようになりました。

②日ごろの関係作り

イベントを通じて患者との関係を作る歯科医さんがいます。父の日や母の日に感謝の言葉を書く機会を設けたり、カブトムシパーティを開いてみんなに楽しんでもらっています。このような診察とは関係ないイベントが人柄が輪を広げたのです。

③何気ない台詞

マッサージ店がイオン式ヘアドライヤーを販売しようとして、DMを3回出しました。最初は通常のDM、次は品切れのお詫びと感想のDM、3回目は“今日が最後と告知です”という内容のDMでした。このように工夫一つで文章に宿る力が違ってくるのです。

④ストーリーを作る

学生服店がDMに『ガンバレ!必勝合格祈願カイロ』を同封し、“手にした人が毎年合格しています。合格を祈って送りますというストーリー”を作りました。すると、“おかげで合格した”という嬉しい反応をもらい、この評判が良い循環を作ってくれたのです。

(参考資料:200645日 日経MJ)

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2006年6月 9日 (金)

コンクールで“売る力”を強くする

食品スーパー『オオゼキ』では、店舗ごとに社員を一人選抜し、同じ商品を同じ値段でどれだけ売れるかを競う販売コンクールを行っています。価格が同じですから、個々の接客やPOPの出来などの巧屈が明暗を分けることになります。

この試みは、「いかがですか?」という決め台詞を繰り返すことに終始する社員が増え、販売力が落ちた現場(既存店売上高が4%減少)に刺激を与える為に昨秋から始めたのですが、結果として既存店の来客数の回復という効果をあげました。その理由は、この販売コンクールが、実際に“人に話しかけて売る”という難しさを身をもって体感する絶好の機会であり、“会話をしながら商品を勧める”という接客の原点への回帰でもあったからなのです。(参考資料2006531日 日経MJ)

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2006年6月 8日 (木)

美術館と高級レストラン?

最近、高級レストランを併設する美術館が増えてきています。

主なモノを挙げると、静岡『クレマチスの丘』の伊料理「マンジャ・ペッシェ」と日本料理「ガーデンバサラ」、東京・白金台『東京庭園美術館』の和食レストラン「カフェ茶洒」、東京・竹橋『東京国立近代美術館』の仏料理「クィーンアリス・アクア」があり、各店舗とも週末は満席となる人気ぶりです。

これは、美術館が単なる展示スペースを脱却し、大人が楽しめる空間を提供するようになったためと考えられます。“芸術”に“食”の楽しみが加わることで、美術館が総合エンターティメント空間として、どのように成長していく?注目されます。

(参考資料2006531日 日経MJ)

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2006年6月 7日 (水)

ハナキン復活の兆し

週後半の夜間の飲食需要が拡大しており、バーなどホテルの飲食部門は、金曜日の売上が軒並み前年を2桁上まわり、“ハナキン復活”の様相となっています。

『 リーガロイヤルホテル』 では、45月の料飲部門の金曜日の売上高が前年同期比30%で推移しています。これは、高額なコース料理屋ワインなどの注文が増えたためで、その結果として客単価が上昇しているそうです。イタリア料理や高級中華店など客単価3000円以上の外食店でも、客数が上向いています。

週末の居酒屋にも賑わいが戻っています。高級居酒屋『 プライベートダイニング点 』 では、木曜と金曜を中心に既存店の来店客が前年と比較して3月で14%、4月で6%と増えています。

創作料理とカクテルの店『 一磋 』 では、昨年後半から既存店の売上高の伸び率が上昇しています。最近では、30代後半の会社員の利用が増えたこともあり、3月の伸び率は9%、4月の伸び率は7%と好調ぶりを持続しています。

夜の飲食店に賑わいが戻ってきた背景には、賃金の上昇があります。それは、連合がまとめた春闘の平均賃金の引き上げ幅が5446円と昨年より約500円高くなったことからも伺い知ることができます。日本フードサービスは、「消費者心理が好転してきた。顧客は従来より少し高めのメニューを注文しているようだ」とみており、飲食業に追い風が吹きつつあるようですが、本当のところはいかがなものでしょうか?

(参考資料:2006527日 日本経済新聞)

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2006年6月 6日 (火)

ビル屋ダイニング② どうして増えたの?

ビルの屋上に視線が集まるのは、回復しつつある景気がその背景にあると言われています。

景気の回復基調で高まるビル需要のため、立地等の良い場所は借り手の奪い合いとなり、その結果として、テナント料の上昇をもたらしています。このような事情もあって、今まで見向きもされなかった眠れる優良地の屋上が注目され始めたというわけです。

そして、価格だけでなく、屋上には“空”や“借景”といった手付かずの演出装置があるため、金をかけずに効率的な演出ができるというメリットに人々が気付き始めたのです。

しかし使用するとなると、様々な制約が待ち受けているのが現状です。各地域の条例や法令など規制…などをクリアしていく必要があるわけで、『ビル屋ダイニング』という新たな用途と規制との綱引きは今まさに始まったばかりです。

(参考資料:200663日 日本経済新聞)

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2006年6月 5日 (月)

ビル屋ダイニング① ビルの屋上に活路がある

“ビルの屋上”という異空間でくつろげる『ビル屋ダイニング』が、室内では演出できない開放感で人を惹きつけ、人気を集めています。

東京・西麻布のフランス料理店『コリーダ』は、食事の後、屋上でカクテルが楽しめます。店内にバーを併設するレストランもありますが、同じ室内ということでそれほどの違いはありません。しかし、ここでは場の空気をガラッと変えることができます。

初夏もいいのですが、この屋外スペースは冬こそ、その真価を発揮するそうです。ヒーターを置き、毛布を膝にかけて、屋外でグラスを傾ける…という他では味わえない面白さが満喫できるのです。

大阪市中央区のカフェ兼貸しスペース『谷町空庭』は、田舎のおばあちゃんの家のような暖かいお店です。こごては、水曜日と土曜日に限り、20㎡の敷地にミントやナンランの収まった火鉢が置かれた屋上でお茶を楽しむことができます、殺風景な屋上もほんの少し手をいれるだけで交流の場へと変わる一例と言えそうです。

(参考資料:200663日 日本経済新聞)

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2006年6月 4日 (日)

なぜ?新宿に一極集中

伊勢丹は、新宿への一極集中ともいえる戦略を取っています。これは国内に新店を出す余裕がない要因もありますが、やはり新宿という立地を最大限に活かすことを目指しているのでしょう。そのメリットとデメリットを検証してみます。

メリット 新宿という立地の追い風

2008年の春に開通の地下鉄13号線「池袋―渋谷」が開通します。

本店真下に位置する“新宿3丁目駅”(仮称)は、埼玉、横浜、世田谷、太田、目黒の富裕層である顧客の入口となり、新宿駅から最も遠い百貨店の不利さを挽回するチャンスです。

伊勢丹は駅名を“伊勢丹前”とするように働きかけていることからもその意気込みが分かります。 (ただし実現は難しいようです)

デメリット 新宿という立地の逆風

新宿南口に5060階建とも言われるJRのビルができる予定です。

このビルが完成すると、新宿に人が集まっても駅から街には人が流れずにJRの中で商売が完結してしまう可能性が考えられます。百貨店の勝ち組である「伊勢丹」は今から「JR」との本気の勝負を覚悟しています。500億円の使い道を決めていてない資金を用意し、必要とあらば追加投資をぶち込む余裕もあるという姿勢を打ち出しています。

(参考資料:週刊東洋経済4/295/6号)

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2006年6月 3日 (土)

3回転の法則

人気の町でウオッチすべき店は表通りから3回曲がった先にある…と言うそうです。

例えば、下北沢の南口だと、1回曲がると牛角食堂、2回曲がるとヴィレッジヴァンコート、そして3回曲がると不思議に賑わう雑貨店やマンションを転用したカフェやバーがあり、確かにこの法則は当っていると言えます。

道を3回曲がると、ブレイク前の人気商品やトレンドを発見できるかもしれませんよ。

(参考資料:2006519日 日経MJ)

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2006年6月 2日 (金)

秘訣はオカワリ

日経MJの調査によると、飲食チェーンが成長を続ける秘訣は、オカワリ(オンリーワン・カ族取り込み・ワリ安感)にある…という記事がありました。つまり、真似のできないオンリーワン商品やサービスを持ち、家族連れで利用できて、割安感があるメニューを提供できる企業が売上高伸びランキングで上位に並んでいるということなのです。

具体的に言うと、1位にランキングされた『ふらんす亭』(ステーキ・カレー)は、独特の味付け(レモン風のステーキソース、長時間炒めた玉葱に18種のスパイスを加えたカレー)が客を引き付けるオンリーワン商品を持っていて、しかも昼1000円、夜1400円という客単価というお得感がある点がお客さんから評価されていますし、2位の『トリドール』はオヤジの店のイメージの強い焼き鳥店をファミリー層に浸透させることで成功を収めています

また、3位の『クリエイトレストランツ』は、オンリーワンの集合体(70の業態を持っている)のような店舗展開が特徴ですが、ファミリー層が楽しめる見せ方に工夫を凝らしており、加えて高級感を演出すること(オープンキッチンをフードコートにも取り込む等)で割安感を引き出しているのです。

(参考資料:2006512日 日経MJ)

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2006年6月 1日 (木)

ブランド高める物語力

物語を使って、聞き手を動かす手法『ナラティブ(物語)メソッド』が注目を集めています。

最近の好例としては、昨年の5月から今年の3月まで毎週、全国紙に掲載されたソニーの『VAIO』の広告が挙げられます。自分たちが勝負しようと考えている部分をとことん言葉を尽くして語ってみようと考えた結果、自然と「おはなし」を活用する手法に辿りついたそうです。

この手法の効用は二つあります。

一つ目の効用は、「消費者の記憶に残る」ということです。物語で語りかけられると、消費者はその情報を思い出してくれます。そして、思い出してくれれば、後は自らがネットで検索してくれます。今、企業は検索時に上位に登場させるためのSEO(検索エンジン最適化)技術への投資に力を入れていますが、ナラティブのスキルはSEO技術を凌ぐことすらあるのです。

そして、もう一つの効用は、「顧客の絞り込みができる」ということです。VAIOの場合はもモノの価値を値段と機能だけでは判断しない人をターゲットにしていたので、価格以上に大切なものがあるという価値観を物語形式で訴えたわけです。

ナラティブの活用により無形の付加価値であるブランド力が向上し、それがVAIO部門の増益(20063月期)の一因となったとも言えるのでしょう。

(参考資料:2006524日 日経産業新聞)

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