景気は回復なの?拡大なの?
日本全体の景気はまだ回復局面なのか?それとも拡大局面なのでしょうか?日銀や政府はこの二つのキーワードを使い分けています。
まず、日銀は5月の金融経済月報で景気の先行き判断を先月の『着実に回復』から『緩やかに拡大』に変更しました。この指標は需給ギャップを目安に判断しています。デフレの原因だった需要不足が需要超過に転じて、日本経済は健康体に戻ったと判断したわけですが、ゼロ金利解除に向けての地慣らしを進めるという狙いも多分に含まれていると思われます。
次に、政府は6月の月例経済報告で景気の基調判断を『回復している』に据え置きました。これは、景気水準や景気動向指数、鉱工業生産指数などを重視して判断していますが、利上げに慎重な政府関係者のゼロ金利解除の口実を与えたくないという思惑も含まれているでしょう。また、民間のエコノミストの間では、『まだ回復期にある』との見方が大多数です。
ゼロ金利解除を巡っての日銀と政府の綱引きがあるにせよ、立場によって景気判断が割れるということは、「悲観的になることはないが、まだまだ安心はできない」ということを意味しているのでしょう。今後はゼロ金利解除も大きなポイントとなることから、企業各自の努力に加えて政府、日銀の適切な政策運営がガキを握ると言えるでしょう。
(参考資料:2006年6月22日 日本経済新聞)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント