ブランド高める物語力
物語を使って、聞き手を動かす手法『ナラティブ(物語)メソッド』が注目を集めています。
最近の好例としては、昨年の5月から今年の3月まで毎週、全国紙に掲載されたソニーの『VAIO』の広告が挙げられます。自分たちが勝負しようと考えている部分をとことん言葉を尽くして語ってみようと考えた結果、自然と「おはなし」を活用する手法に辿りついたそうです。
この手法の効用は二つあります。
一つ目の効用は、「消費者の記憶に残る」ということです。物語で語りかけられると、消費者はその情報を思い出してくれます。そして、思い出してくれれば、後は自らがネットで検索してくれます。今、企業は検索時に上位に登場させるためのSEO(検索エンジン最適化)技術への投資に力を入れていますが、ナラティブのスキルはSEO技術を凌ぐことすらあるのです。
そして、もう一つの効用は、「顧客の絞り込みができる」ということです。VAIOの場合はもモノの価値を値段と機能だけでは判断しない人をターゲットにしていたので、価格以上に大切なものがあるという価値観を物語形式で訴えたわけです。
ナラティブの活用により無形の付加価値であるブランド力が向上し、それがVAIO部門の増益(2006年3月期)の一因となったとも言えるのでしょう。
(参考資料:2006年5月24日 日経産業新聞)
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