小商圏の大賑わい
大規模化で広域集客を競うことが商売の王道でしたが、商圏を狭めると隠れたニーズが浮き出てくることに気付いた小売業者が戦略を転換し始めました。中規模百貨店の京急百貨店(横浜市)店が、都心の老舗にもヒケを取らない賑わいを誇るのは、小商圏のお客さんの心をキッチリと掴んでいるからです。
買い手の変化は、売り手の予想を超えて進みます。その変化を掴む手かがりは、逆説の中にあるのです。そんな例をここでは紹介します。
道を狭めてみる
各月第4日曜日に開催される『いなり楽市』は、豊川稲荷の門前で約50店が通りに戸板を並べ、自由に商売をして縁日を演出する縁日です。道幅が8~10mから5mに狭くなることで、滞留時間が倍以上に伸び、売上が5%以上伸びました。
クルマでなくて自転車
東武東上線の上福岡駅前にオープンした『ココネ上福岡』は、目標通りに6000人の利用者を集めていますが、一つだけ誤算がありました。それは収用台数300台の駐車場の利用が60台に留まったことです。売り手にクルマ社会という思い込みがあったのですが、実は自転車で利用する人のほうが多かったのです。
銀座の『三越』が数百台の駐輪場設備を改装計画に盛り込んでいることから分かるように、車がなくとも成り立つ小商圏が今後は増加すると予想されます。(参考資料:2006年6月25日 日本経済新聞)
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