市民から見たいざなぎ超えの議論
景気の拡大期間がいざなぎ景気(1965~1970年)を抜いて戦後最長になりそうな雰囲気です。しかし、市民から見るとそんな実感はありません。マクロとミクロの違い?と言ってしまえば“それまで”ですが、なぜそうなるか?を考えると二つ理由があると思われます
①景気の強さを無視し、方向しか見ていない
景気の対からGDPがどのくらい拡大したか?をみると、いざなぎが1.68倍に対して今回は2006年1~3月で1.1倍。これに対して、名目GDPはいざなぎが2.23倍、今回が1.04倍となります。つまり、どんなに弱くても方向さえ上向きであれば、景気拡大と認定されてしまうことに問題があるわけです。
②景気の局面を考慮していない
市民は“輸出増加で生産が増加→企業収益、設備投資が増加→雇用、賃金が改善し、家計所得や消費が増加”という三段階で景気の拡大を実感します。
今回の景気拡大中(2002年1月~2006年3月)の企業の経常利益は65.2%増と高い水準でしたが、一人当たり賃金△2.4%と逆の結果になっています。要は、景気回復の恩恵は企業部門に留まっており、一市民の所得面には殆ど及んでいないのです。
(参考資料:2006年8月9日 日本経済新聞)
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