デフレと嘆く前に常識を疑え
外食の勝ち組サイゼリアは、高い営業利益率(10%強)を叩き出していますが、その秘訣は生産性の向上を徹底的に行っているからです。社員の大半は理科系出身ということもあり、外食産業の常識を科学的な面から疑い、そして代案を考える習性が染み付いています。
たとえば、店内清掃、科学的解析を交えて考え抜いて辿り着いたのが、原始的なモップでした。検証の結果、120センチ幅のモップを採用したころ、掃除機で1時間かかる作業が30分に短縮され、生産性は2倍に跳ね上がりました。こうした小さな積み重ねが圧倒的なコスト競争力を生むのです。
また、パスタはお湯で茹でるという常識を疑い、水で茹でれるか?ということも考えて、試行錯誤を繰り返します。すると、パスタを水に長時間漬けておいてみてはどうか?という仮説が立つわけです。実際にやってみると、調理時間の短縮には寄与しないことが分かり、ボツとなりましたが、こうした基本原理まで戻って作業をひとつ一つ洗い直す姿勢が合理化につながるわけです。
デフレを嘆き、立ち尽くすだけでは突破口は見えてこない。サイゼリアのように足元の常識を疑ってみる経営が今、必要なのです。
(参考資料:2009年12月21日 日本経済新聞)
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